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【小説】と【新年の挨拶】

2014.01.01.Wed.00:00
新年あけましておめでとうございます。
今年もなんとなく作品を作っていけたらと思います。

それはそうと、年末の2~3日を駆使してゲームを作る計画を練っていたのですが、あえなく頓挫しました。
シナリオも一応完成していて、過去作のフォーマットに乗せてばゲームらしくはなるかな、という感じだったのですが、作中で必要ないい感じのコタツの背景素材が見つからず断念しました。
人が映ってしまっていたり、なかなかいいのがあっても、夜らしいバリエーションがなかったり、我が家にコタツもないので、自前で調達することも出来ず・・・。
必要な素材の目途はちゃんと立てましょうという、去年の反省と自戒をこめて(?)、シナリオ部分だけ小説としてアップしておきます。

続きからでどうぞ。
 コタツといる年末。 作:南回転



 おれが一体何をしたのだろう。
 何もしていない。おれ自身はいつも通りだ。
 いつもと違ったのは、普段早起きしない姉と妹が、起き出して来てきて、おれよりも早くコタツに入っていたことだ。
 二人が早起きしていたことはこの際どうでもいい。
 問題は姉妹がコタツ入っていることだ。
 コタツは四角形で、1辺につき1人入る構造。現在母、姉、妹がそれぞれ入っている。
 一応空きはあるのだが、そこ入るとテレビが見えないとか、狭い死ねとか言われるゾーン。入りたくても入ることが出来ない。
 おれはコタツに入りたいのに……。
 コタツの中で自堕落に過ごすことだけが、唯一の楽しみであるおれの冬休みから、コタツを取ったら一体この先何を楽しみに冬休みを過ごせば良いのか。
「お前ら、年末に遊ぶ相手もいないのかよ」
 姉妹をコタツから追い払うためにおれはわざとらしい悪態をついてみた。うざがってどちらかが、部屋を出るのを期待した。
 その言葉がその日に限っては余計だった。
 まずみかんの皮が飛んできた。
 そして「捨てといて」というありがたいお言葉。
 男と付き合いだしても長続きしたことのない姉は、こういうドライな反応が基本だ。
 時間差で妹の方が急に泣き出したことで、事態が深刻化した。
 ……そういえば、クリスマスに男に振られたとか、そんなようなことを言っていた気がする。ついでに言えば、振られた当日よほどショックだったのか、放心するか泣くを繰り返していた気もする。
 じんわりと滲んだ涙が、やがて本降りに変わる。
 妹は姉と違って、人に当たらず、どちらかと言えば思いつめるタイプだ。
 姉がそのフォローに回って、おれを口汚く罵倒し、そんな中でも暢気にお茶をしばいていたお袋が、おれに流し目を送った。
 ――出て行け。
 言葉として放たれたわけではないが……まあ、逆らえんよなあ。
 女子の多い家で、男の立つ瀬はいつだって厳しい。
 そして落ち度もおれにある。
 仕方ないので、部屋に戻りファンヒーターと着る毛布を活用し、読書でもしながらダメ人間健康法に勤しむことにしよう。
 そう思って、自室に戻ってきた丁度そのとき、ブブブッ、と携帯電話が机の上で震えた。
 メールの着信だった。
 見てみると送信者の名前には『宇野気浮羽理』とある。
 浮く羽の理、と書いて『ふわり』と読ませる。珍しい名前だが語感からわかるように女の子だ。宇野気(うのき)っていうのも、結構珍しいとおれの感覚では思うのだけど、どうもこういう地名があるらしい。
 おれと同じ学年というだけで違うクラス。接点らしい接点もないはずだが、今年一年を振り返ると、彼女の顔が一番先に思い浮かぶ。
『ファッキンアフロ事変』『ロリコン上下動事件』『国語教師ニュータイプ事件』など、身近でインパクトの大きな事件はあったにもかかわらずだ。
 そんな宇野気の顔は、好みじゃない人でも、可愛らしいということに文句はなさそうな、比類なき童顔。
 町から離れた広大な田んぼの真ん中にある、大きな門つきの豪邸に住んでいる。
 育ちがよいせいなのか、あんまり人を警戒しない。
 体育を含めて成績もよい。
 おれとはいろんな意味で別の次元に住んでいるような奴なのに、入学式のときから何となくあった縁が、年末の今までなんとなく続いているのは、彼女のそういうゆるい性格の成せる技かもしれない。
 彼女にはどうも一年通して気に入られているらしかった。
 それ自体別に悪い気はしない。
 ただなんというか、かわいい、ってところが問題なんだろう。
 モテたことはない人間に、急に可愛い子が寄ってきたら、そりゃ警戒する。今年一年、その警戒は解けなった。
 それというのも、 
『あの寂しいので、一緒にお家で遊びませんか?』
 こういうことを、文章として残るメールで言ってくる、宇野気がよくない。
 断る理由も積極的に行く理由もない、はず。
『いやでも外寒いし』
 だからおれは脈々と体を流れるダメ人間の血にしたがって、そう答えた。
 返事はすぐにきた。



『コタツもありますよー』
 そう言われて。
 浅く雪の降る中1キロばかりの道のりを歩いて、宇野気邸までノコノコ着てしまうおれは何なのだろう。
 豪邸だからといって、気後れすることも特にないのだが、門から玄関までは遠いのだけは面倒だなと思う。
 玄関まで辿りついて引き戸を開けると、宇野気の母親が出迎えてくれた。
 いつもは家政婦さんがいるのだが、年末ということで皆実家に戻っているらしい。
 宇野気が寂しいと言ったのはそのせいなのか。
 自分の家に家族以外の人間がいるのが普通の家庭環境って、改めてすごいなと思う。
 宇野気邸は無駄に広い豪邸であるが、実際に使う部屋はごくごく限定されており、日常生活に使う部屋は、正門側の玄関に近い場所にまとまっている。
 コタツのある居間にも、玄関に入って二部屋ほど進んだ場所にある。
 宇野気母に案内されている途中、その居間から呼び出した本人が飛び出してきた。
「あ、高松くん、こんにちわ。ようこそいらっしゃいました」
 彼女は基本こんな感じでマイペースな口調。年末らしい雰囲気、みたいなものものない。
 おかしなところがあるとすれば、部屋
 何故か。何故だろう。宇野気流の防寒対策だろうか。
 とりあえず、母親がそれに突っ込みを入れる気配がないので、おれも黙っておくことにした。

「ささ、こちらへどうぞ」
 母親から引き継いで、居間に連れて行く宇野気の尻を、おれはまじまじと見る。
 普段見慣れた制服ではわからなかったが、体のラインがはっきり出るタイトな服を着ていると、大きさや形の良さに加えて、微妙に食い込んだ肉の感じとかが――
「高松くん?」
「はい!」
 目の前に宇野気の顔があった。童顔の割りに、背が高いので目線はほとんどおれと変わらない位置にある。
 ……童顔の割にというか、幼いのは顔立ちだけで他は――
「どうしたんですか? ぼうっとして」
 いかんいかん。
 一旦彼女から視線を外して我に返る。
「さ、おコタに入りましょう」
 とコタツの布団を広げてくる。
「いいのか? おれは一度コタツに入ったら際限なくだらだらするぞ」
「はい。わたし見てますから」
 見てるのか。
「たいして面白くもないと思けど」
 コタツに足を入れた。
 宇野気邸のコタツは実家のものとは違い、一辺に二人ぐらい余裕で入れそうなほど大きく、布団はふかふか。
 机の中で足を伸ばしたら、もう何にも逆らえなかった。
 ――神よ。
 最初の数十分ぐらいは我慢しようと思っていたのに、おれはあっさり横になって、寝る体制に入る。
 そうして、眠るか眠らないかのまどろみの中に意識を漂わせるのが一番好きだ。
 頭がぼやっとする。ふわふわとして、気持ちがいい。
 宇野気はときどき俺を見るだけで、話しかけてくることもない。
 今にあるテレビでは年末の特番がやっており、それを見てときどき笑ったり驚いたり、ころころと表情を変える。
 時々、彼女は宇野気は何かに似ているな、と感じるのだが、それが何かはいまいちわからない。
 いそいそとみかんの皮を剥いている姿を見ていると、一応今はリスとかハムスターとか、げっ歯類が妥当な線ではないかと思うが、どれもあまりしっくりこない。
 じっと見ていたら、宇野気と目があった。
 別に話すようなこともなかったが、暇しているのにも飽きてきたので、なんとなく聞いた。
「……暑くないのか、その格好」
「あ、そうですね。ちょっと暑い、かもですね」
 といいながら、何故胸元を開ける。いや暑いからなんだろうけど。ダメだろ。こぼれそうだ。
 おれは目を逸らした。
「っていうかそもそも何で、そんな格好を?」
 宇野気が、それを聞かれるのを待ってました、とばかりの顔をしたとき、おれはしまったと思った。
「これはですね。スパイです!」
 あー、わけのわからないことを言い出した。
 これは何のかんのいいながら、最後まで聞いてしまう流れだ。
「すぱい、というと?」
「ご存知ないですか? 諜報活動員ですよ!」
「流石にそれはご存知だよ」
 今のところこの平和な日本の片田舎で、どうして諜報員が必要なのかというところだ。
「それはですね」
 と彼女はどこからか切手のようなものを取り出して、机の上に置いた。
 俺は寝転がったままの体を起こす。
「先日学校でこのようなものを発見しまして」
「学校……?」
 冬休みに学校に行くなどおれでは考えられないことなので、把握するのに時間が掛かった。
「ああ、部活があるんだっけ?」
「ですです」
 確か吹奏楽部だったか。ただの楽器を演奏しているだけの部に見えるが、肺活量が必要になるので、運動部と同じぐらい走ったりしている。
 基礎体力でもおれより宇野気の方がありそうだなあ。
 そう思いながらおれは、猫背をさらに丸めて、机に置かれた切手状のものを見る。
 何か書いてあるようであるが、小さくて読めない。
 すると宇野気はどこからともなく、虫眼鏡を取り出しておれに手渡した。
 何でもあるなこの家は。
 改めて虫眼鏡で見てみると、そこには、小さな文字で

『スパイ募集中』

 と書かれていた。
 さらに『この紙を見つけたものは、菓子和原南高校生徒会長 紫龍菫まで連絡せよ』と書いてある。
「これが本校舎の西階段の手すりに貼ってあったんですよ」
「それで、いったのか?」
 そんな「もちろんです!」みたいな顔をされても。
 生きていくのに必要な警戒心を全部好奇心に割り振っているような奴だし、別に意外でもないけど。
「はい。紫龍センパイのご実家に直接確認に行ってきました」
 この寒い中すごい行動力だ。
 紫龍菫は、俺たちの一つ上の二年生で、今年の二学期から引退した3年生に替わって生徒会長になった人物。
 鋭い目つきと切りそろえた長い黒髪。眉目秀麗で才色兼備。腕組みで仁王立ちしているのが似合う、ある種絵に描いたような生徒会長だ。
 そんな彼女の実家は、創業100年だかの和菓子屋さんで、この町では結構有名。
「それで、どうなったんだ?」
「校内風紀の改善のため、生徒の素行を探ってくれる人を募集しているそうですよ。よく見つけたねって褒めてもらいましたよ!」
「なるほどねえ」
 しかし校内風紀のためにスパイって、やることが大仰というか気合入っているというか。
「そういえば、記念に大福を貰いました!」
 またもどこからともなく、包装された四角い大福を持ち出してきて机に置く。
 一緒に食べましょう、と勧められ俺は一つ受け取り。
「なあ、これってさ、諜報だから長方形なのかな?」
「え……?」
「あ……」
 何となく言ってみただけのことが、その場に深刻な影響を及ぼす。今朝妹にやって学んだばかりではないか。
 宇野気が何とも言えない顔をしている。彼女がこんなに困惑しているのは、初めて見たかもしれない。
「……この話はやめようか」
「そうですね」
 スパイだけにすっぱい、とかそういうオチまで考えたが、そこは普通の餡子で助かった。
「しかし何でまた、改めて校内風紀がどうこうなんて言い出したんだろうな」
 うちの学校は特に
「推測ですが、冬休み前にあった校内喫煙の影響かと」
「あー、そんなこともあったなあ。確か一人停学になったんだっけ」
「ええ、それで是非協力したいと、スパイっぽい格好をしていったのですが」
 ライダースーツってスパイっぽいだろうか? 映画の見すぎと断じるのは簡単だが、現物のスパイを見たことがないので何とも言えない。
「『何をしだしても不思議に思われないという点で、非凡なところがあると思うし、今回の募集に最適な人である』」
 低く抑えた声は、紫龍会長を真似のつもりらしい。
 しかし、何をしだしても不思議に思われない、ってそれは褒めてるのか?
「ですが、ある一点致命的に今回の募集に合わない点があったので、不採用でした」
「それで記念の大福だけ貰って帰ってきたのか」
 大福うめえ。
「聞いたみたんですが、その一点は教えてもらえませんでした」
 宇野気が生徒会長相手に食い下がる姿は、簡単に想像することが出来る。
 おれは大福をぱくつきながら、
「ま、そりゃそうだろな」
 また余計なことを言ってしまった。
「む……」
 宇野気が眉をひそめて、こっちに体ごと顔を近づけて近づけてきた。
 恐るべき視線誘導能力を持つ、胸の峡谷が一緒に迫ってきて、おれは混乱した。
「今のはどういうことですか?」
「どうって」
「今の『そりゃそうだろ』は、わたしが教えられなかったわけを、当然のように知ってる『そりゃそうだろ』でしたね」
「……そうかな?」
「そうでしたっ! どうしてわたしが不採用だったか、知っているなら教えてください」
「……そんな胡散臭い格好してたら、スパイだってすぐバレちゃうだろ」
「それは今、説明するのが面倒くさくなって適当に考えた理由ですね」
 何故わかるんだ。
「もったいつけないで教えてくださいよう」
 髪の毛はふわふわで、目もたれ目で、しゃべりかたも、決して話すのが遅いわけではないけど、なんだかトロくさい。そして可愛い。
 怒られない程度にいじめたくなっても、仕方のないことじゃないかと思うんだ。
「そう言われるともったいつけたくなる」
「ええー!? もったいつけないでくださいよー」
「そう言われると、余計言いたくなくなるなあ」
「むー」
 細めた目でおれを見ながら唸る。
 もしかするとちょっと怒っているのかもしれない。だとすると、これは目を細めているのではなく、睨んでいるのか。
「そっちがその気なら、わたしにも考えがあります」
 そう言うと宇野気はコタツの布団を捲り上げて、そこから何かを持ち出した。
 布団を戻して姿勢を正した彼女の、手にはコタツのスイッチが握られていた。
 どうだ、と言わんばかりの表情。
 答えなければ今すぐコタツの電源を落とすと、そう言うのだ。
 そうきたか。
 とろいようで、こういうところがある。えげつないってほどでもないけど、なかなか食えないところがある。
 しかし、実際にコタツの電源を落とされると非常に困る。
 というか、コタツの電源を落とされたら、俺はこれから一体どうしたらいいんだ。
 ………………………。
「わかったよ。悪かったって」
「意地悪しないで教えてくれますか?」
「教える。っていうか、別にたいしたことじゃないぞ? そう思うってだけでただの推測だし、事実がそうとは限らないしな」
 机の上のみかんをとってそれを剥く。宇野気も釣られて、みかんを手に取った。
「それで、わたしに欠けていたところとは何だったのでしょう?」
「別に欠けていたわけじゃない。生徒会長だって、合わないところ、って言ったんだろ。結論から言えばさ、宇野気が女だからだ」
「スパイとしての素養の問題ではなかったと?」
 そんなことを心配していたのか。
 おれは一つ息を吐いて、みかんを一切れ口に入れた。それがなくなってから話す。
「より厳密に言えば、紫龍先輩も女だからだな」
「『も』ということは、センパイが男性だったら、わたしがスパイに採用されていたかもしれないということですか?」
 スパイに採用される、って響きに噴出しそうになりながら、おれは答えた。
「スパイって言っても、実際には生徒会長と一緒になって、校内の見回りに協力してくれる人だろ? それをする場合、女だとどうしても回れないところが出てくる」
「そうですか……? 生徒の入れるところなら大抵回れませんか? はっ!? ……まさか、教師と協力して悪事をたくらむ――!?」
「どうでもいいときにだけ、スパイみたいな考え方しなくていいって。つか、性別のなんの関係もないだろそれじゃ」
「では、男性じゃないといけない理由って……」
「宇野気は男子トイレに入れるのか?」
「あ……」
「我が生徒会長は、学期中の喫煙事件で張り切ってるんだろ。そいつらを見張るには、トイレに違和感なく入れる奴じゃないと困るってことだな。前の喫煙だって、トイレでバレたんだったろ」
「な、なるほど」
 みかんから目を離して、ちらりと宇野気の顔を盗み見る。
 喉のつかえが取れたような、どこか感心したような表情。
「そういうことだったんですねえ」
 雪解けのような、ほっこり顔。
 だから答えたくなかったのだ。
 こいつの幸せそうな顔が見たくなかったのだ。苦手だから。眩しすぎるから。
 俺の心があんまり温かいと言えない部類だからだろうか。
 まるで冷たい手をお湯に浸したときのように、心がぴりぴりする。それは心地よくもあるけど、すぐにお湯から手を離したくもなる。
 結局のところ、宇野気があまりにも可愛すぎてつらい。


 その後、コタツの中でときどき宇野気の足と戦い繰り広げたり、無限に供給される菓子やみかんを遠慮なく食いまくったり。
 コタツと彼女のご両親が許す限りおれは、宇野気邸にいたのだが、自分でも気づかないうちに眠りに落ちていたらしい。
「スパイ活動に行きませんか?」
 目が覚めると、宇野気そんなことを提案されているおれがいた。
「どこに行くんだよ」
 寝ぼけた頭でおれはそう答えた。
「神社へ」
 そこ言葉を聞いて、時計を見ると時刻は午前0時を少し過ぎているところだった。
「神社でおれたちが諜報すべきことってなんだ」
「来年の運勢とか、どんな年になるのか、ですかね」
「……なるほど」
 コタツの電源は落とされていたが、部屋の中は十分暖房が聞いていて暖かい。
 このままだど、一生ここでふやけきってしまいそうだった。
 宇野気の提案に乗ってもいいかなと、おれは久方ぶりにコタツから出た。

 先に外に出て宇野気を待つ。この辺でおみくじをやっている神社は、ひとつしかないのでそこだろう。
 宇野気がコートを着て外に出てきたが、何故ライダースーツのままだった。
「その格好で通すのか」
「スパイですからね!」
 まあなんでもいい。なんならそっちの方が宇野気らしいとも言える。
 家の門を出て、三歩ぐらい歩いたところで、
「せっかくですから、コードネームを決めましょうか」
 と言って来た。いつもなら、多分相手にしないけど、今日はたまたま、彼女にぴったりな名前を思いつくことが出来た。
「じゃあさ、コタツって呼んでもいい?」
 ほっこりとした顔で彼女は笑い、
「いやです」
 と、ぬくい手で俺の手のひらを包んだ。

(了)
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